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河口 宗道; 宮原 信哉*; 宇埜 正美*
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 6(2), p.021305_1 - 021305_9, 2020/04
ナトリウム-コンクリート反応(SCR)は可燃性ガスである水素とエアロゾルを発生するために、ナトリウム冷却高速炉の過酷事故において重要な現象の一つである。本研究では、反応領域への熱負荷等の影響を調査するために、内部加熱器を使用したSCR実験を実施した。さらに内部加熱器がSCRの自己終息に及ぼす影響を議論した。内部加熱器の存在はコンクリートへのナトリウムの移行を妨げるため、内部加熱器の周囲からナトリウムとコンクリートは反応し始めた。その結果、コンクリート侵食量は内部加熱器周囲の方がその直下よりも大きくなった。また、ナトリウムプール温度の上昇(約800C)はナトリウムエアロゾルの放出速度を大きく増加させるとともに、ポーラス状の生成物層を形成させた。ナトリウムエアロゾルの放出速度はナトリウムの蒸発と水素のバブリングによって説明された。さらに、ポーラス状の生成物層の空隙率はケイ素の質量収支やEPMAマッピングの画像分析から0.54-0.59であり、これらはお互いに良く一致した。この生成物層が反応領域へのナトリウムの移行量を減少させ、内部加熱器の位置によらず反応領域のナトリウム濃度は約30wt.%となり、SCRの終息に至った。内部加熱器の存在する場合でも、SCRの自己終息時に対して反応領域のナトリウム濃度は支配的なパラメータであることが分かった。